三通りの聞き方、同じ証言
Three ways of asking, the same testimony
D03-1-P05-three-ways-same-testimony・遊ぶ人向け・霧走町 流氷に眠る(遊ぶ人向け)

港で網を繕っている船長に、ゆうべのことを聞く。
三通りの言い方で、聞いてみました。
「凍りついた係留索。船小屋の陰で、日に焼けた男が網を繕っていた。」
佐伯「……よそ者が、何の用だ」
底引き船の船長、佐伯です。
組合長が死んだ夜にどこにいたかを、まず本人の口から聞いておきたい。
一枚目は、きちんと聞いた形。
▶「事件が起きた夜、あなたは何時までどこにいましたか」
二枚目は、短く聞いた形。
▶「昨日の夜はどこにいた」
三枚目は、何をしていたかを聞いた形。
▶「昨晩は何をしていましたか」
返ってくる証言は、三枚とも同じです。
佐伯「十五日の夜なら、10時まで番屋で飲んどった。それだけだ」
言い方が違っても、聞きたいことが同じなら、同じ証言に届きます。
質問の正しい言い回しを当てるゲームではありません。
ただ、何でも通るわけではありません。
いつの話かを言わずに聞くと、佐伯はこう返します。
佐伯「何の話だ。いつのことを聞いとる」
佐伯「日にちも言わんで、答えようがないだろう」
ぶっきらぼうですが、もっともな返事です。
「いつの」「誰の」を足して入力し直せば、話してくれます。
証言のあとには、地の文が続きます。
「佐伯は、網の破れたところを膝の上に載せていた。指が穴の縁をなぞり、同じ幅の目を一つずつ作っていく。あの晩の話をしているあいだも、その手は止まらなかった。」
台詞だけでなく、その間の手や目にも、人が出ます。
この船長の「それだけだ」が本当かどうかは、まだ分かりません。
確かめるには、ほかの人に聞くしかありません。
丁寧な刑事でも、ぶっきらぼうな刑事でもいい。
同じ事件を、入力する人ごとの聞き方で追っていけます。
『霧走町 流氷に眠る』の第一章はブラウザで無料。
自分ならどう聞くか、プロフィールのリンクから試してみてください。