岬の高台には、誰もいない
No one is on the cape's hilltop
D09-1-P17-hilltop・遊ぶ人向け・霧走町 流氷に眠る(遊ぶ人向け)

「人の姿はない。」
岬の高台に上がると、地の文はまずそう告げます。
町と海を見下ろす高台。
港も、組合長が倒れていた防波堤も、ここから見えます。
画像は、高台に着いて、周りを見ると入力したところです。
「風は強いが、ここなら一晩、竿を出していられるだろう。」
人が住んでいる場所ではありません。
話を聞ける相手もいません。
画面の下の「人物」の欄も、「周囲」になっています。
それでも、入力すれば、町が答えます。
▶「流氷を見る」
「水平線まで白い。流氷は岸に押しつけられ、軋みながら少しずつ形を変えていく。」
「あと半月もすれば離れる、と誰かが言っていた。」
▶「空気の匂いを確かめる」
「息を吸い込む。潮と、魚と、雪の匂い。冷たさが鼻の奥に刺さる。」
「……この町は、どこにいてもこの匂いがする。」
聞き込みの合間に、こういう場所へ寄ってもいい。
事件に関わる手がかりばかりが、町の全部ではありません。
二度目に来ると、地の文は少し短くなります。
「岬の高台。眼下に港と、防波堤の細い線が見える。」
一度見た景色を、刑事がもう知っているからです。
港へ下りて、若い漁師の岬にこの高台のことを聞くと、こんな答えが返ってきました。
岬「町と、港と……防波堤の先まで、ぜんぶ」
岬「夜は灯りしか見えませんけど。それが、いいんです」
町で生まれ育った人には、ここから見える夜が、いいらしい。
誰もいない場所にも、誰かの好きな景色があります。
画像の背景は、高台から見た町と海です。
雪をかぶった木の枝と、湾に沿って並ぶ屋根。
その先に、海へ延びる防波堤。
絵は変わりません。
話を聞いたあとで見え方が変わるのは、見る側のほうです。
『霧走町 流氷に眠る』の第一章はブラウザで無料。
プロフィールのリンクから、岬の高台まで歩いてみてください。