kaedeasset記事 · Notes霧走町 流氷に眠る

第一発見者と、駐在と、宿の主人

The finder, the officer and the innkeeper

 D10-1-P19-finder-officer-innkeeper・遊ぶ人向け・霧走町 流氷に眠る(遊ぶ人向け)

推理アドベンチャー自然言語処理遊ぶ人向け

この回の画面

組合長を見つけたのは、夜釣りの帰りの若い漁師だった。
見つけた時刻と、駐在所に通報が入った時刻のあいだに、40分が空いている。

第一章で話を聞く三人を、きょうは並べて紹介します。

岬蓮。
24歳の漁師で、第一発見者です。
港の桟橋で網を干しています。

駐在所でその話を聞く前に、本人に、見つけたのはあなたかと尋ねると、こうです。

岬「……どうして、それを」

「岬は網を繕う手を止めた。こちらを見ないまま、指先だけが動きを忘れている。」

岬「見つけたのは、俺です。……それは、駐在さんに聞いてください」

口数は少なく、こちらの顔をあまり見ません。
仕事の話や、釣りの話なら、短く答えてくれます。

岬「……アブラコとか、ソイとか。冬は数は出ないですけど」
岬「別に、好きってわけじゃないです。……静かだから」

あの40分に何があったのか。
それは、聞き方しだいで見えてきます。

堂本。
45歳。町の駐在です。
札幌から来た刑事と組んで、記録と連絡を受け持つ相棒になります。

この人は、町のことを大げさに言いません。
できることと、できないことを、そのまま言います。

堂本「無線はあります。ただ、天気が荒れると届かんのですよ」
堂本「そういう日は、走って知らせに行くしかない。冗談ではなくてね」

堂本「呼べます。ただ、隣町から四十分はかかりますな」
堂本「それまではこっちで何とかするしかない。……去年も一度、ありました」

救急車が来るまでの四十分。
この町では、それが当たり前です。

源三。
67歳。宿「潮見荘」の主人です。

聞かれたことには答えます。
けれど、聞かれていないことを、自分から話す人ではありません。
ぼんやり尋ねると、こう返されます。

源三「変わったこと、ねえ。……年寄りの一日は、どれも同じに見えるがねえ」
源三「誰の話か、何の件か。言ってくれんと思い出せんよ」

誰の、何の話か。
それを言えば、ちゃんと思い出してくれます。
帳場に座って、長くこの町を見てきた人です。

源三「わしが継いで四十年。親父の代からだからねえ」
源三「人は減る一方さ。……しょうがないよ」

若い漁師と、駐在と、宿の主人。
年も、立場も、話し方も違う三人です。
同じ事件のことを聞いても、知っていることと、話したがることが違います。

画像は、駐在所で堂本に検分の結果を聞いた画面です。
石油ストーブの部屋で、窓の外は雪の港。
刑事が何度も戻ってくることになる場所です。

『霧走町 流氷に眠る』の第一章はブラウザで無料。
三人のうち誰から話を聞くかは、プロフィールのリンクから入って決めてください。

#推理アドベンチャー #自然言語処理