「すぐ通報した」と言った指が、結び目を一つ余分に締めた
The fingers that "called it in right away" tied one knot too many
D13-2-P26-confront-video・遊ぶ人向け・霧走町 流氷に眠る(遊ぶ人向け)
組合長を見つけたのは、23時半。
駐在所に通報が入ったのは、0時12分。
そのあいだの40分を、第一発見者に聞きました。
動画は、その一続きです。
港の桟橋で網を干している岬を選び、入力欄に問いを入れて、送るまで。
送ってから、返事が出るまで。
十数秒の場面です。
先に、駐在所で記録を聞いてあります。
見つけた時刻と、通報の時刻。
その二つが手帳に並んだところで、港へ行きました。
▶「見つけてから通報まで40分もあります。すぐ通報したというのは本当ですか」
岬「……はい。見つけて、すぐに電話しました」
「岬の指が、網の結び目をひとつ余分に締めた。」
岬「それが、何か」
そして、緑の一行。
記録:岬「見つけて、すぐに電話した」
岬は、すぐ通報したと答えました。
記録とは合いません。
けれど、本人はそう言った。
手帳には、本人の言葉として、そのまま残ります。
この場面で動いているのは、台詞よりも、手です。
問いを受けた瞬間に、結び目をひとつ余分に締める。
声は落ち着いていても、指は落ち着いていない。
刑事ものでいう「動揺」を、このゲームでは地の文の一行で見せます。
動画で見ると、問いが入力欄に入っていく数秒と、返事が出るまでの一瞬の間があります。
その間に、相手が何を考えているのかを想像する。
文字だけの場面ですが、読む速さで追うと、間が生まれます。
聞き方によっては、別の顔が出ます。
記録を持たないまま、強く迫ったときは、こうでした。
岬「疑ってるんですか。俺を」
「岬の声が固くなった。肩に力が入っている。」
岬「……見つけたのは俺です。それだけです」
材料を持たずに強く出ると、相手は身構えて、口を閉じます。
材料を持って静かに聞くと、言葉は崩れなくても、手が崩れる。
どちらの場面も、入力した文で決まります。
この先、岬が何を話すのか。
それは、ここには書きません。
40分のあいだに何があったのかは、あなたの問いで確かめてください。
『霧走町 流氷に眠る』の第一章は、ブラウザで無料です。
プロフィールのリンクから、港の桟橋へどうぞ。